|
|
「出不精は悪?心配する上司を安心させて自宅ライフを楽しみたい」 |
29屋さん、こんにちは。単身赴任で当地に駐在して9ヶ月。朝起きて、片道1時間半かけて工場に行き、仕事して、夜帰宅。メシ食って読書やビデオ、ゲーム、日本に居る家族とネットを通じて会話をしたりして寝る。そんなまるで判で押したような毎日を送る私ですが、もともと日本でもそんなに人付き合いが多い方ではなかったので、強がりでもなんでもなく、特に寂しくも何ともありません。上司は「引きこもってばかりいないで、交友関係を広めてこい」とか「何か趣味のサークルにでも入ったらどうだ?」と心配してくれるのですが、正直言って出かけるのも面倒くさく。あまり角を立てずに、やんわりと分かってもらうには、どう言ったらいいでしょうか?
PN:J・J・ボニー・ジャックス(31歳:♂ 日系メーカー駐在員)
|
|
「"悩みがない"のが"悩み"なら、"答えなし"もまた"答え"也」 |
最初、編集部から送られてきたメールでは「出不精」が「デブ症」と誤変換されていたので、やれやれ、またダイエットネタか? 「そんなに痩せたきゃ、あんなに食わなきゃいいのに Byさだまさし」と、ゲンナリしかけていたのですが、これもまた怪我の功名。「一見丸っきり関係のないことにこそ、真実が隠れているものですねぇ」と一人で納得する年の暮れなのですが、もったいぶらずにそろそろ本題に入ります。
タレントの長嶋一茂氏が野球に見切りをつけて引退をした時に、選手生活を振り返って出版した「三流」というタイトルの自伝的インタビュー本。そこで彼は、ヤクルトに入団し、ゴールデンルーキーとして騒がれる中、コーチや監督だけでなく、さまざまな過去の名選手やOBたちが、これでもかと色々なアドバイスをくれたものの、「(情報や教えの)消化不良になっていた」と語っています。そして、期待されるような成績を残せないまま、フロリダへ野球留学に出かけてみると、日本のチームと違ってコーチは基本的なことしか言わないし、やらせない。「じゃぁ、これはどうやるんですか?」とシビレを切らせてこっちから質問すると、「答えがだーっと10は返ってくるんだ、呆れる位に細かく」。
つまり、「問題点の在り処がよくわかっている状態だから、コーチの説明がすごくよく頭に入る」わけで、貴男自身が今の生活を何も問題ないと思っているのであれば、他人の無用な心配が的を得るわけがないのです。もちろん上司の方だって、悪気があるどころか、少しでも貴男のベトナム暮らしが積極的で楽しいものになるように、と気を遣ってくれているわけですから、そこのところだけ無下にしなければ、問題はないと思います。
例えば仕事上のトラブルや家族間の悩みなどで、あまり深刻ではないものを時々相談、というより雑談してみるとか。少なくとも普段のコミュニケーション量が増えることによって、貴男の趣味嗜好もわかってくるだろうし、駐在ノイローゼにかかっていないことを理解してもらえれば、オフの時間にまで余計な気を遣われなくなる可能性は大。全ての人間に与えられた真の平等とは時間のみであり、1日24時間をどう使うかは貴男次第。「食べ過ぎるよりは一杯の玄米と味噌汁の方が良い。身体が、その乏しい栄養を必死になって吸収しようとするから(「三流」より)」と一茂氏も言うように、必要最低限の「粗食」のみにて時間を生きるのもひとつの生き方です。無理をせず貴男自身に迷いが生じた時にこそ、初めて外部に討って出て見ては如何でしょうか?
もちろん「人との出会いで世界を広げるのもチャンスの内だぞ!」という意見だって正論なのですが、それは貴男の自己責任。無理やり付き合いで行ってみて自他共に楽しめないのでは、余計ストレスが溜まるもの。己と向き合える幸せな時間を、たっぷりと満喫してみてください。
【今月のまとめ】
「人生はチャンスだ。結婚もチャンスだ。恋愛もチャンスだ。としたり顔して教える苦労人が多いけれども(中略)私はそれを、意志だと思う。」 by 太宰治
オフィスジパンング・今日の弁当
29屋さんの日記、他ベトナムの宅配弁当店オフィスジパングの弁当ニュースなど。
http://blog.livedoor.jp/info29/
※編集部では、皆さんの明るい悩みを募集しています。
秘密厳守。 相談先は、コチラまで。お待ちしております。
(2005年12月2日 金曜日 8:31JST更新) |