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「燕雀いずくんぞ何とやら起業して一旗上げてみたいんですけど」 |
こんにちは、29屋さん。私は地方メーカーの現地工場のエンジニアとして当地に赴任したのですが、どうやらベトナム暮らしが性に合っているようで、日本に帰りたくなくなってしまいました。と、いうわけで、ここらで一つ、何か商売でも始めてみようかなと思っているのですが、何をやれば儲かりますか?当地の知人たちは皆「そんなに甘いもんじゃないよ」と否定的な見方をしてますけど、とにかく何かやってみたい。そんな思いが捨てきれずにいるうちに、来年あたり帰任命令が出そうな雰囲気。いったいどうしたら、いいものでしょうか?
PN:ホザキゆかた(27歳:♂日系メーカー駐在員 ベトナム在住3年目)
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「理念なき独立は、時として"一旗"ではなく"白旗"につながることも有り」 |
バンコク在住のライター藤井伸二氏の著作「金なし、コネなし、タイ暮らし!」に、「日本の各企業からタイへ派遣される駐在員の任期は、どこもだいたい3年が相場だ」という考察があります。「日本人は在タイ3年を超えると日本の感覚を忘れてタイ化し、考え方がタイ人のようになると言われる。(中略)手遅れにならないうちに連れ戻すのが会社としての親心なのである」そうなのですが、これは"タイ"をそのまま"ベトナム"に置き換えても通じる定義であると思われます。
貴男は、ちょうどその3年目とのこと。お気持ちは痛いほどわかりますが、そんなに簡単に儲かる話があったら、私が教えて欲しいくらいです。とは言え、男の覚悟は、そう簡単に覆るものでもないでしょう。逆に、「こうすれば確実に失敗する」ということならば、多少お教えできますので、ご参照の上、どうされるかご再考ください。
まず、ある有名なマンガ家の言葉なのですが、「"弟子にしてください"と言って訪ねて来る時点で、自分の作品を持って来ないようなやつは論外」とのこと。つまり「表現したいという欲求があるからプロの下で修行」というわけではなく、「プロ作家の成功の結果だけを見てフラフラと寄ってくる」のが透けて見えるからというのが、その理由。
貴男の現在のお仕事の内容はわかりませんが、少なくとも今の安定したポジションを捨てて、孤立無援の戦いに打って出るだけの勝算と夢と野望が現時点でないのであれば、銀行口座に多少の貯金があったとしても「杜子春@芥川龍之介」のように、ぱっぱと使い果たして終わることは火を見るより明らか。「ベトナムに残って生活することが目的」なのか、「自分で独立起業するのにベトナムが適しているから」なのかを、はっきりと自覚してからでないと、周囲のアドバイスなどは「馬の耳に踊念仏」。
私のような立場からしてみれば、正直、ずいぶん贅沢な悩みだなぁとは思いますが、隣の芝生はいつだって青く見えるもの。「最悪の場合、どこで撤退するか」というラインだけ決めて、やるだけやってみては如何でしょうか?苦難と貧乏、そして人の心の裏表を一度経験してみるのも人生のスパイス。若い心と身体であれば、なんとか乗り越えられるでしょう。たぶん。ま、ガッツです(適当)。
【今月のまとめ】
「決断は、実のところそんなに難しいことではない。難しいのは、その前の熟慮である」 by 徳川家康
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(2005年10月28日 金曜日 8:31JST更新) |