なにも、そこまで怒らなくても…。ホクロの毛を抜いたら絶交された!!

　こんにちは29屋さん。ひとつ失敗をやらかしてしまいました。私の滞在する下宿の前に、いつもいるバイクタクシーの若者。ほぼ毎朝、学校まで乗せてもらっているうちに仲良くなったのですが、先日、彼のアタマに白髪を発見したのでぷちぷちと抜いていると、首筋のホクロからぴょろ〜んと一本、ちんちろ毛が生えていたのです。「おいおい、ネタか？」と苦笑しながら引き抜いた途端、普段は温厚でハエも殺さない彼が突然激怒し「なにすんじゃぁ〜〜っ!!!」と絶叫するではありませんか。その場は呆気に取られたまま別れたのですが、後日ベトナム人の友人から「あれは金持ちになるシルシだから抜いちゃダメ」と聞きました。以来、私を乗車拒否する彼と、出来ることなら仲直りしたいのですが、何かいい方法はないでしょうか。

PN：.とろろいも3号(21歳♂：学生)

イワシのあたまも信心から。相手が信じているのであれば、尊重はするべき。

　田舎というのは迷信の宝庫で、ベトナムのみならず世界各国にいろいろと珍妙な信仰があります。例えば、道路を歩いていたり車やバイクで走っている時に、目の前を「ある動物」が横切ったら、すぐに引き返さないと命にかかわる不幸がおきるというのを、私はビンフックの農家で聞いた事があります。その動物とは、なんと亀！　日本では長寿の象徴なのに、ここでは黒猫なみの扱いです。

　さて、本件。気になったので、早速近くに居たベトナム人スタッフ4人(地方出身♂、うち2人がホクロの毛保有者)を捕まえて「ホクロの毛があると金持ちになるというのは本当か？」と単刀直入に聞いたところ、大体次のような回答でした。

�@ほくろの毛を人為的に引っこ抜くと、不吉なことが起こるらしい。
�Aもし生えたのを発見したら、自然に抜けるまで待たなければいけない。
�B金持ちになるわけではない。もしそうなら、今おれ(彼)が社長より金持ちで無いのはおかしい。

　要するに福耳とか茶柱のようなラッキーアイテムではなく、不運をよける避雷針代わり。またはサッカーファンのあいだで一時期はやったミサンガ(手首に巻く組紐状の腕輪。自然にすり切れたらいいことがある)の逆バージョンといったところなのでしょう。しかし ｢見た目が珍妙だなぁ、プッ(笑)！」と感じるのは日本人のみならず、実は当店のベトナム人女性スタッフも内心そう思っていたようです。そこで、さらに彼らに「もし絶世の美女が現れて、『アナタと結婚するけど条件がある。今すぐ、そのホクロの毛を引っこ抜いて捨てて！』と頼んだら、どうする？」と追加質問したところ、「考えておきますから、近いうちに美女を紹介してください」と言われました。ぎゃふん。

…そうそう、仲直りでしたっけ？　要するに不運を避ける身代わりが何かあれば良いのですから、日本で買ってきた神社のお守りか何かをプレゼントして、素直に「悪かった」と謝りましょう。なんのヒネリも無い普通の回答で申し訳ないのですが、そんなことを悩みながら歩いたり運転していると、ますます不幸に巻き込まれる可能性が大。「笑う門には福来たる」。笑って、ごまかす。少なくとも、気は楽になることでしょう。たぶん。

オフィスジパンング・今日の弁当
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（2005年6月8日 水曜日 8:06JST更新）