育ってきた環境は違うけど…。西洋人彼氏の好き嫌いを何とかしたい！

　29屋さん、こんにちは。今、私には一緒に住んでいる恋人が居るのですが、ヨーロッパ出身の彼の頑固な食生活に手を焼いています。先ず路上どころか、そこそこ小奇麗なレストランですらベトナム料理を食べないのは勿論のこと、私の作る日本食にも余り手をつけません。彼曰く「米が食べられない」とか。せっかくベトナム人の会食に招待されても、ビールだけを飲んで料理を食べず、家に帰ってから「じゃが芋をゆでてくれ」と、私に頼む始末。付き合いとかの問題も大きいのですが、何よりもせっかく安くて美味しい料理や食材が身近にあるのに、お金を掛けて贅沢をするように思えて仕方ありません。そんな彼に食べ物のありがたさを体感してもらうには、どうしたらよいでしょうか？

PN：セロリ新左衛門(34歳♀：現地採用)

性格曲げてまで、ましてや気持ちを抑えてまで、つきあうこたぁないんです。

　子供のころに観ていた、とあるヒーロー番組。「悪の組織がスーパーや魚市場の輸送トラックを襲い、日本中が魚不足になって困る」という話がありました。「魚不足＝カルシウム不足」→「日本の子供たちの骨が弱くなり、数年後に日本が弱体化」→「ぬははは！　これで日本は我々のものだ！」という回りくどい理論に基づいたこの計画は、牛乳とか海藻類などの代替食品やサプリメントの存在を計画立案者が見落としていたために、ヒーローの活躍がなくとも失敗は目に見えていたといえます。

　要するに、栄養学的見地から言えば、好き嫌いなんてものは問題のうちには入りません。サッカーの中田選手が体質的な問題で野菜を食べられないのは有名な話ですが、彼は大きく育ちました。その点で、貴女の彼氏が「大地のりんご」と呼ばれる栄養豊富なじゃが芋を選択していることは、彼の育った文化的なバックグラウンドを確認しながら身体を養う作業なので、あまり嫌がらずにじゃが芋ぐらい茹でてあげてください。日本人で言えば「おーい、お茶漬け」なんですから。

　ただ一つ問題があるとすれば、相手の国籍を問わず「俺たちなんかと一緒のものは食べられねぇってわけですかい」と思われたりしては世間の狭い当地において、無用な摩擦を引き起こすことになりかねません。もしかすると「米が食べられない」の理由以外に、衛生面に対しての不安があるのかもしれませんが、箸やお椀を使用前に拭いて、せめて火の通った食べ物に一口でも手をつけること。何にどう気をつけたとしても、自分の体調や運次第で、あたる時にはあたるのです。招待してくれた人たちが面目躍如できるような、招き甲斐のあるゲストとなることは、決して損にはなりません。ビールをひたすら呑むという戦略も間違いではありませんが、その場の雰囲気がどうなってもいいやという「孤高」の人にならないよう、貴女が優しく誘導してあげてください。

　いっそのこと苦痛になるような招待は断って、うちで好きなものを食べて、その後の時間帯でアポイントをとれば皆幸せというもの。無理に何とかするよりは、そういうものなんだなぁと思ってあげてくださいね。「性格曲げてまで、ましてや気持ちを抑えてまで、つきあうこたぁないんです。」

オフィスジパンング・今日の弁当
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（2005年4月27日 14:55更新）