＜ダナン＞
今の中部は寒いんです！
地元でおすすめ、雨季の食卓

　ベトナムは1年中暑いというイメージがあるけれど、中部ベトナムには寒い時期がある。それは10月下旬〜2月下旬までの約4ヶ月間続く雨季。最低気温16℃くらいまで下がるとなれば、そんな気候に合った料理もあるはず！　と、食いしんぼう編集部が地元の人たちに雨季に食べたくなるものを聞いてみました。

家族と食べる温かい家庭料理
バインセオ/Banh Xeo

	中部のバインセオは、1人前サイズで小さいのが特徴
	最近はあまり食べないけど、やっぱりお母さんのバインセオが大好き！ ロアン（Duong Quynh Loan）さん（23歳)/教員

　ベトナム風お好み焼き「バインセオ」は、ベトナム料理と言ったらすぐに名前があがるほど、日本人にもすっかりお馴染みの料理だ。

　実はこのバインセオは、意外にも中部では寒い時期に食べる。というのも、長くて寒い雨季の間、表に遊びにいけずにいる子供たちのためにお母さんが食卓にコンロを出し、みんなで火の周りで温まりながら、次々と作ってくれるバインセオを家族集まって食べる料理だからだ。心も体も芯から温まった、そんな思い出の料理。バインセオとは家庭料理の代表格だったのだ。

店名：バインセオバーユーン/Banh Xeo Ba Duong
住所：K280/23 Hoang Dieu St., Da Nang
電話：(0511) 3873168
営業時間：9:00〜21:00
「バインセオ/Banh Xeo」2万ドン（約120円）

あのホイアン名物も季節料理!?
カオラウ/Cao Lau

	雨季なら2杯は軽く食べられると地元の人は言う
	カオラウの美味しさは プリプリした麺なの ロック（Nguyen Thi Loc）さん（20歳）/ 店員

　ホイアン（Hoi An）3大名物のひとつ、汁なしうどん「カオラウ」も地元では雨季の食べ物と言われている。熱々の鍋焼きうどんなら納得もいくが、なぜ汁なしのカオラウが寒い季節の食べ物なのか!?

　その秘密は中部の気候にあった。汁なしのカオラウは麺の喉越しが命。雨がほとんど降らない乾季には、麺が見る見るうちに乾燥してくるため食感がザラついてしまう。湿度の高い雨季には乾燥が進まず、蒸したての食感がいきているからより美味しいのだ。

店名：チュンバック/Trung Bac
住所：87 Tran Phu St., Hoi An
電話：(0510) 3864622
営業時間：8:00〜21:00
「カオラウ/Cao Lau」 1万5000ドン（約90円）

生春巻きでもちょっと違う！
バインチャンフォイスーン/Banh Trang Phoi Suong

	ふんわりとした独特の食感を 試してみて ティー（Hoan Thi Kim Thi）さん（23歳）/ 秘書

　中部クイニョンの名物に「バインチャンフォイスーン」（＝霧干しライスペーパー）というフワフワと柔らかいライスペーパーがある。その名の通り、霧の中でゆっくりと干したものだが、これも乾きやすいので、雨季に食べるのがおすすめ。

店名：ビエットフータオニー/Biet Phu Thao Nhi
住所：Cu Chanh 1, Thuy Bang, Huong Thuy, Thua Thien-Hue Province
電話：(054) 3855037
営業時間：8:00〜22:00
「バインチャンフォイスーンクオンティット/Banh Trang Phoi Suong Cuon Thit」6万ドン（約360円）