第21回護身術を習いたい人に BJJって役に立ちますか？

上の相手の片足に、自分の足を外側から巻き付けてバランスを崩す。相手をこかしたり、一気に背後が取れたりする便利技。

　皆さん、こんにちは！　「オーバーリミットBJJサイゴン」ヘッドコーチ小谷尚孝です。

　最近、「護身術教室やってくださいよ」という依頼を、よくいただきます。たとえば、「大男に胸ぐらをつかまれた老人が手首を取り返して、テコの原理とかで制圧する」だとか、「背後から痴漢に抱きつかれた婦女子が、素早く体を入れ替えて投げ飛ばしたり急所撃ちをして難を逃れる」などなど。映画とかマンガで出てくるようなかっちょええ技を、ちょちょいのちょいで是非簡単に習得したい？いやいやいや、そんな虫のイイ話があるなら、私が習ってみたいですよ。

　確かに、元々、世界有数の物騒な国ブラジルにおいて「セルフディフェンス（自己防衛術）として使えるじゃん！」として認められ、世界中に広まっているブラジリアン柔術（BJJ）。かといって限界はあります。実際、有名柔術王者でも、酒場のいざこざで命を落とした人や、牢獄で謎の死を遂げた人もいます。

　結局のところ、関節を極めるとか、相手を押さえつけてコントロールする技術。体力が向上してできる自信や落ち着き。そして練習仲間と過ごす時間で得られる心の平安。これらのおかげで、危険時にも多少の落ち着きとともに対処できる。何よりも危ない場所やシチュエーションを事前に避ける選択ができる。それこそが最良の護身術ではないでしょうか？
　生兵法は怪我のもと。不要な喧嘩や冒険はしなくてもいいですよ、というお話でした。

Information

小谷尚孝
こたにひさのり

ブラジリアン柔術道場「オーバーリミットBJJ／OverLimit BJJ 」ベトナム支部長。三重県出身。ベトナム在住は26年突破。学生時代は一切、運動経験がないまま、ダイエットで始めた格闘技がライフワークに。クラス指導の傍ら、現役選手としても活躍中。

FB: @OVERLIMITBJJSAIGON