【サイゴン通信】本物のカカオが見られるビノンカカオパークへ行こう！

【協力】Binon Cacao Park 住所：Xa Bang, Chau Duc Dist., Ba Ria-Vung Tau Province 電話：097 784 3654 営業時間：9:00～17:00 料金：【入場料】2万VND、【ガイド料】10万VND Facebook：＠BinonCacao ※掲載内容は取材時点の情報です。 店舗等の都合や現地事情により内容が異なる場合があります。

カカオ豆が約30～40粒詰まった実は長さ20cｍほどある

1. カカオの収穫 Harvest パーク内の農園は約3ヘクタール。直射日光に弱いカカオの木の間には“シェードツリー”としてバナナの木が植えられ、日陰ができるように工夫されている。「強風や洪水にも強くないので育てるのは根気がいります」。花が咲き実がついたら、約4ヶ月半～6ヶ月で収穫できる。カカオの実にくっきりとした線が入ったら収穫時。 パークでは2000本のカカオの苗を5月に植えたばかり。育つまでは外部農園に案内してくれ、カカオの実を見ることができる

湿度や室温、風通しなど、最適な環境を整えるのが肝心

2. 発酵 Fermentation カカオの実を割り、カカオ豆についた「パルプ」と呼ばれる白い果肉ごと木箱に移して発酵させる。幅80cm×高さ45cmの木箱2箱を階段のように設置し、上段で約2日、下段で約4日と1週間程度かけて発酵させ、風味豊かなカカオを生み出す。「発酵はチョコレートにしたときのフレーバーを左右する、とても大切な工程です」 上段で行う最初の発酵を「嫌気性発酵」、下段で行う最後の発酵を「好気性発酵」という。パルプは食べることもでき、瑞々しい

天日干しで時間をかけてまんべんなく乾燥させる

3. 乾燥 Drying カカオ豆を十分に発酵させたら、直射日光を避けたビニールハウスの乾燥台に並べる。1日に午前と午後の2回ずつまんべんなく混ぜられ、その作業が約7日間続けられる。「乾燥時もじわじわと発酵は進むため、急に乾燥させると酸が抜けきらないので、直射日光に当てずに時間をかけて乾燥させることが大切です」 乾燥台は約80㎝の高さ。混ぜる作業は2人がかりで行われる。最終的にはカカオ豆の水分量は約7％になる

チョコレートの風味とアロマを引き出す

4. 焙煎 Roasting まずは乾燥後のカカオ豆を選別した後、焙煎する。初めは110℃程度で熱し始め、その後130℃ぐらいまで上げて30分程経ったら、温度を下げていく。焙煎したカカオ豆は熱をふくんで膨らみ、丸くきれいな形になる。「カカオ豆の個性を開かせるのが焙煎です。焙煎温度や時間を変えることで、その個性が変わります」 焙煎に使われる機械は全部で3台。写真奥の焙煎機でカカオ豆を焙煎し、冷ました後に手前の機械で砕き、皮を剥く

みんな大好き！　チョコレートの出来上がり

5. コンチング・テンパリング Conching & Tempering コンチングマシンでカカオ豆を細かく摩砕し、2日程度回し続け、滑らかなチョコレートにしていく。ここで完成形に必要であれば、砂糖やミルクといった素材を足す。その後、テンパリング（温度調節）を行い、モールド（型）に入れて固める。「上手なテンパリングを行うことで、溶けにくくなり、チョコレートのツヤが生まれます」 1つのコンチングマシンには約25kgの豆が入る。モールド（型）に入れて固めた後、20℃の倉庫で20～30日間熟成させる