#23 Đường Phạm Hồng Thái／ファムホンターイ通り

ベトナム全国の通りには、歴史上の出来事や重要人物の名前などがつけられている。よく耳にする通り名の意味や由来について紹介

仏領インドシナ総督の暗殺に失敗自死を選んだ革命活動家

ファム・ホン・ターイ(Pham Hong Thai、1896～1924年)は、フランス植民地時代の革命活動家。本名をファム・タイン・ティック（Pham Thanh Tich）といい、ゲアン（Nghe An）省生まれ。 1918年末頃にタイと中国・広州へ渡り、1924年４月、レー・ホン・フォン（Le Hong Phong）やホー・トゥン・マウ（Ho Tung Mau）らが1923年に結成した、フランスからの独立を目指す青年革命団「心心社／Tam Tam Xa」に参加した。 心心社は、ベトナム人革命家の追放を交渉する目的で日本を訪れるなど革命活動の弾圧を進めようとする仏領インドシナ総督の暗殺を企んでいた。ファム・ホン・ターイは1924年6月19日、世界中の人々に向けてフランスの犯した罪に関する告発文を記した後、広州の沙面島にあるヴィクトリアホテルで開かれたパーティーに新聞記者を装い潜入。このパーティーには、1923～1925年の仏領インドシナ総督、マーシャル・アンリ・メルラン(Martial Henri Merlin)が出席していた。ファム・ホン・ターイは、カメラに見せかけて隠し持っていた手榴弾をパーティー会場へ投げ入れたが、総督は軽傷を負っただけで死を免れ、代わりに他のフランス人５人が死亡する惨事となった。ファム・ホン・ターイは現場のホテルから逃走したが、追われる身となり、間もなく中国南部を流れる珠江に身を投げて自殺した。28歳だった。 現在、ホーチミン市１区をはじめとする全国各地にファム・ホン・ターイの名を冠した通りが存在している。 石井 彩子 元ベトナム考古学徒。考古学はライフワーク。日々、どローカルなベトナムライフを満喫中。