#04 Duong Phan Xích Long／ファンシックロン通り

ベトナム全国の通りには、歴史上の出来事や重要人物の名前などがつけられている。よく耳にする通り名の意味や由来について紹介 失敗に失敗が重なった抗仏運動 秘密結社のリーダー ファン・シック・ロン（Phan Xich Long／潘赤龍、1893～1916年2月22日）は、フランス領インドシナ・サイゴンにおける抗仏運動のナムキ（南圻）秘密結社のリーダー。自らの運動 を広めるため、グエン（Nguyen／阮）朝第８代皇帝ハム・ギー（Ham Nghi／咸宜）の子かつ皇帝であると自称したが、実はチョロンの華人であった。 　 幼き頃から勉強もせず定職にも就かず、魔術や爆弾の製造方法などを学んでいた。しかし1911年頃、愛国者の同志グエン・フー・チー（Nguyen Huu Tri／阮有智）らと出会い、抗仏運動を担うリーダーとなる。 　 1913年３月、各地の秘密結社メンバーらを集め、サイゴンのフランス政府機関の奪取を謀るも失敗。ファンティエットへ逃げたがフランスに捕えられ、同年11月サイゴンにて終身刑となる。 1916年、第一次世界大戦でフランスの力が弱まると、数百名もの同志らが彼を脱獄させるべく動くもまた失敗。同年２月22日、23歳で死刑となり、現在のホーチミン市のヴォー・ティ・サウ（Vo Thi Sau）通りとタンディン（・Tau Dinh）市場の付近に埋葬された。 ホーチミン市の同通り沿いの区域は高級住宅街で、様々な花の名のついた通りが網目状に配されている。 石井 彩子 いしい あやこ 元ベトナム考古学徒。考古学とベトナム書道はライフワーク。日々はどローカルライフ。