格好なイタリア、そんな形の半島に、今日も波が打ち寄せる。
外国人観光客が「ビーチへ行くぞ!」と意気込むと、おそらく「がっかり」するであろう砂浜が目の前に広がっていた。たち並ぶ海の家の軒先には無数の木製デッキチェアーが据えられ、そこにあるのは服を着たまま泳ぐベトナム人と、ゆで海老やゆで蟹などを売り歩く行商おばちゃんたちの姿のみ。
ヴンタウ半島には、漁船ひしめくフロントビーチ、約4qにわたる砂浜(白砂ではない!)を持つバックビーチと、2大ビーチ、いや海水浴場がある。まともに泳げるのはバックビーチのみだが、週末ともなれば、ホーチミン市からやってきた家族連れで大賑わい。対して平日は閑散とした雰囲気が、旅情をいやがおうにも掻き立ててくれるのだ。
「マリンアクティビティ?」
あるにはあるが、贅沢いっちゃいけない。のんびり海を眺めて過ごす、のんべんだらりな昼下がり。ヴンタウのビーチの楽しみはかくあるべし、なのだから。
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