<ハノイ旧市街訪問、古の街の職人たち>
ハンクワット通り
[PHO HANG QUAT]
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彼らは1996年から叔父であるトアン(Toan)さんと一緒に働いていた。2000年に現在の場所に店を構えた |
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もともとこの道は、2つに分かれていたという。通りの東側はフンイエン(Hung Yen)省の人々が扇を作り販売していたことから扇屋(ハンクワット)通り。西側はベトナムの伝統楽器を扱う店が多く、楽器を弾くという意味を持つ弾屋(ハンダン Hang Dan)通りと呼ばれていた。
その後、2つの道は統合され、名前も現在のハンクワット通りとなった。ベトナム楽器を扱う界隈は今でも多くの店が残っているが、東側の扇を売る店は姿を消している。一時、お祭り用の神輿など、大型の木工品も作られていたというが、今は主に葬祭に使われる旗や仏具、木製判子屋が軒を連ねている。
<判子職人>
兄弟でつなぐ、大切な技術。
Pham Duc Tri (33歳) 1972年ハノイ生まれ
Pham Minh Thien (35歳) 1970年ハノイ生まれ
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ティエンさん(写真右)、チーさん(写真左)の師匠である祖父は、ハノイ近郊のハータイ(Ha Tay)省生まれ。その技は今、兄弟の中に脈々と受け継がれている。 |
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小さい判子なら1時間から1時間半ぐらいで作ることができる。1個3US$〜 |
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弟のチーさんはハノイ外国語大学で英語と中国語を勉強したため、漢字は少し書く事が出来た。しかし、ひらがなやカタカナはお客さんの書く文字を見て覚えたという |
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間口1.3メートル。人が膝を抱えて座れる程のスペースしかない建物の入り口で、2人並んで彫刻刀を手に、木片に向かうティエン(Thien)さん、チー(Tri)さん兄弟。彼らは15歳からこの商売に入り、いつもユニフォームともいえる白いシャツに縞柄パンツの作業着を着て、朝から晩まで毎日判子を作り続けている。
しかし、今のような小さな木製判子を作るようになったのは、1990年頃からのこと。以前は祈祷用のお札を印刷するための版型や、中秋節の月餅の型を主に作っていたという。職人と言うにはまだまだ若いものの、祖父から教えてもらったという彼らの彫刻技術は高く、店は各種旅行雑誌で頻繁に取り上げられるほど。
特に日本人観光客に人気があり、ひらがな、カタカナ、漢字まで、どんなデザインでも判子にしてくれるのだ。 そんな2人だが、弟のチーさんはハノイ外国語大学の英文科を卒業し、語学にも長けている。有名大学を卒業し、他の職業に就く機会もあったと思うのだが、家に伝わる匠の技を守るため、この道を選んだという。
「旧市街は、外国人観光客が多く訪れる場所。この商売を通じて多くの人と交流することができるし、それでベトナムの伝統技術を知ってもらえれば、不満はないよ。」
そう語るチーさんの夢は、日本やベトナムの伝統絵画を自分の手で彫りあげること。そして、より多くの人にベトナムの高い伝統技術を知ってもらうため、日々努力したいと彼は意気込んだ。
店名:Phuc Loi
住所:6 Hang Quat St.
電話:(04) 8245171
時間:8:00〜21:00 |