奇才、シー・ホアンが演出する
音楽とアオザイの華麗なショー

	舞台となる３階のフロアは、趣のある調度で彩られ、王朝絵巻の中に入り込んだような気分にさせてくれる

　シー・ホアンと言えば、前衛的なデザインのアオザイを次々と発表し、ベトナム・ファッション界のトップを走る天才デザイナー。そんな彼が開催する、音楽とファッションを融合させた意欲的なショーが今、話題を集めている

　ショーは毎晩20時30分から22時30分までのたっぷり2時間。アオザイと少数民族衣装と、テーマの違うショーが2回行われる。もちろん衣装はシー・ホアン氏のデザインで、男女合わせて10人前後のモデルたちが、華麗な衣装を身にまとい、手を伸ばせば届くような近くを歩いてくれる。もう1つの注目は、ショーの前後に演奏される音楽。伝統音楽の演奏と言うと「雅やかだけど退屈」という印象があるが、ここで繰り広げられる音楽は、ジャズのフリーセッションのように生き生きと躍動している。あの繊細な外見の一弦琴ですら「これほど力強い音が出せるのか」と驚きの迫力。中でも注目は木琴ならぬ「石琴」。「世界に３つしかない珍しい楽器」とのことで、奏者が髪を振り乱しながら右へ左へとバチを走らせ演奏する様子は、まさに「鬼気迫る」という言葉がピッタリ。毎晩、曲目や登場する楽器が異なるというのも嬉しい。

　ショーを楽しみながらいただくお茶も、忘れてはならない。急須で出されるお茶は、なくなると何回でも足してくれる。お茶受けのお菓子は、注文したお茶によって異なり、ショウガ、ココナッツなど、ベトナムならではの味が楽しめる。シナモン茶、菊茶など10種類のメニューがあり、中でも蓮茶セット（6万2000ドン／約430円）が一番人気だとか。お茶席で使われていたキッチュな急須や湯飲みも、下のお店で買うことができる。ショーの行き帰りには、お店の中の素敵なアオザイやバッグなどを見るのもお忘れなく！

　ご予約などは、担当の吉田さん（0908194708）まで。

住所：36-38 Ly Tu Trong St., Dist.1
営業時間：9:00〜23:00
＊お茶代以外に席料6US$（土日は7US$）が必要。

（ベトナムスケッチ2004年1月号）