先ずは、ベンタン市場前のインフォメーションセンターへ行こう。最近運行が始まったものはのぞき、すべてのバス路線がカバーされた路線図（もちろん無料！）が置いてある。始発・終バスの時刻、何分おきに運行しているかも書かれている。バス停には時刻表の類はないので、バスを利用するには、この路線図をゲットするのが必須。でも全部ベトナム語だし、ホーチミン市内の地理にある程度なれた人でないと、自分がどの路線に乗ればいいか、お目当ての路線を探すのはちょっと時間がかかりそう。そこで、全部で約50あるという路線の中から、使えそうなものを編集部がピックアップしてみた。料金がビックリの全路線1000ドン。８月から料金が2000ドンに値上げされるというウワサもあったけど、嬉しいことに、今のところそのまま。
「本当に採算が取れるの？」と思ったら、案の定、赤字なんだとか。でも、ますます悪化する市内の交通渋滞を緩和するため、市当局としては、財政負担をしてでも、市民にバスに乗って欲しいのだそうだ。ちなみに、新型車両は、姉妹都市である大阪市からプレゼントされたものも含まれている。以下、ホーチミン市のバスを乗りこなすコツ4箇条を。以下、ホーチミン市のバスを乗りこなすコツ4箇条を。
■車体の色に関係なく、同じ番号のバスは同じ路線を走る
バス会社は2社。サイゴンバスが緑の車体、サイゴンスターバスが黄色と赤の車体と会社は分かれているのだけれど、番号が同じだったら、走る路線は同じ。これって使う側からすれば便利だけど、２つ会社がある意味がないんじゃない？
■料金はすべて1000ドン、料金は先払い
車内に乗り込むと、係りの人が、お金を徴収に来る。受け取った青色の半券は、下車時まで持っておく方が良い。
■車内放送は一切なし。目的地が近づいたら、ベルを鳴らす
車内に「次の停留所は」なんていうアナウンスは一切なし。でも、あらかじめ自分が降りたいバス停の名前を紙に書いて見せておくと、そこが来たら、教えてくれる。
■バスに乗る際は、手を振って合図をすべし
バス停でバスが止まってくれるとは限らない。自分の乗りたい番号のバスが来たら、手を振って合図すべし。でないと、そのまま走り過ぎることも。
ここに紹介したものに限らず、どの路線も大体始発は朝5時くらいから。終バスは、日本に比べると早くて7時くらい。運行間隔は、大体5分から15分と、意外と頻繁に運行している。詳細は路線図を参照のこと。所要時間は道の混雑状況などにより変わるので目安。
路線バスの旅・定番コース
□１ メリンポイント〜チョロン
表示：SAI GON - BINH TAY
乗降場所が分かりやすいので、かねてから「路線バス体験をしたいなら、これ！」と言われているのが、この1番バスだ。ルネッサンスリバーサイドホテル前のメリンポイントから、ベンタン市場前を経由して、チャイナタウンであるチョロンのビンタイ市場までを結ぶ約9キロの路線。途中、チョロンが近づくにつれ、次第に漢字の看板が増え、雰囲気が変わってくるのが車窓から眺められる。チョロンでの乗り場は、降り場から50メートル程度離れているので要注意。〔所要時間：約30分〕
ベトナムのディズニーランドへ
□11 ベンタン市場〜ダムセン公園
表示：SAI GON - DAM SEN
ベトナムのディズニーランドこと、ダムセン公園に行くのがこれ。全長9キロ。途中、布の市場として有名なアンドン市場やタイビン市場などの前を通るので観光にも使える。「こんなところをバスが通るの？」と言うような、ローカルな狭い通りを抜けたりするので、上半身裸で寛いでいるおっちゃんたちなど、普通の人たちの日常生活を車窓から見ることができるのが魅力だ。チョロンの近くを通るので中華街の雰囲気も垣間見れる。〔所要時間：約30分〕
空港行き以外にも利用価値あり
□152 ベンタン市場〜タンソンニャット空港
表示：BEN THANH - SAN BAY T. S. NHAT
いわゆる空港と市内を結ぶシャトルバス。とは言ってもその実態は、空港には用事のない学校帰りの学生さんや通勤客も乗ってくる普通の路線バスだ。空港にお客さんを迎えに行く時なんかに使えそう。ベンタン市場を出たバスは、レロイ通り〜市民劇場〜ドンコイ通りと進むので、車窓からちょっとした観光気分。ちなみに、TAN SON NHATと表示してあっても、28番は空港まで行かず、その手前のスーパーボウルが終点になるので要注意。〔所要時間：約45分〕
もしかして世界一お得な路線？
□13 ベンタン市場〜クチ
表示：SAI GON - CU CHI
「え、ホント？」と驚くのが、この路線。クチのトンネルで有名なクチの町まで、何と35キロという長距離を結ぶ。それでも料金は、同じく1000ドン（約８円）。いくら物価の安いベトナムとは言え、これにはびっくりだ。途中の車窓から眺めるベトナムの田園風景は一見の価値あり。ただしバスの終点とトンネルは離れているので、観光目的の人は、ツアー参加が無難。チョロンからも、同じくクチ行きバスが出ている。こちらは番号94。〔所要時間：約2時間〕
例えば、市内から手軽に行け、野外ビュッフェなども楽しめる自然庭園として人気があるタンダのビンクオイ庭園に行くなら44番。4区が起点だが、ベンタン市場前を通過するので、そこから乗車すると良い。ベンタン市場からの所要時間は約40分。クチ行きの35キロに次ぐ長距離路線が、テーマパークとして地元っ子の間では有名なスオイティエン公園行きの150番バスだ。チョロンのバスターミナルが起点で、全線25キロ、所要時間は約1時間。また、テーマパークといえば、忘れてはならないサイゴンウォーターパークへも、ベンタン市場前からバスが出ている。別会社による運行で料金は5000ドン（片道）だが、タクシーに比べれば格安。ただし運行本数は少なく、ベンタン市場前から、月〜土は朝8時半から1時間おき、日曜は朝8時から1時間おき運行で、1日7便。所要時間30分余。
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