特産品はどうやってできる？
クラフトヴィレッジを訪れて

　ライスペーパーや竹細工など、ベトナムのお土産として有名な特産品の数々。でも、どこでどのように作られているか気になったことはない？実はこんな所だったんです。

7万人以上もの人が働く工芸村
あのライスペーパーもここで生まれる

　ベトナムにはクラフトヴィレッジと呼ばれる伝統工芸品を作る村がある。それぞれの村ごとに得意な製品があり、1つの村で1ジャンル。ホーチミン市内だけでも約65村、7万人以上もの人々が作業にあたり、現在新たな観光スポットとして注目を集めている。そんな中、中心部から車で約1時間、クチトンネルに程近いCu Chi区Phu My村は生春巻きで有名なライスペーパー作りが盛んな地域。高品質な輸出用の製品も数多く手掛けており、村の中はどこもかしこもライスペーパーを干す風景ばかり。しかも1家庭で月に500〜700キロの大量生産というから驚き。

一家に一つ、豪華でご利益満点の彫像も
もちろんここで作られてます

	弱冠25歳のHuanさんが経営するショップ。3人だけのスタッフだが、その腕はかなりなもの
	1セット50本と、大量のノミを使いこなす。彫刻のお手本は、なんと　焼き物の人形!?

　ベトナムの町を歩いていて、やたらと目につく中国チックな像。ベトナムでは安全・繁栄などのご利益があると大人気。そんな土産物屋に必ずあるアノ彫像も実はクラフトヴィレッジ産。12区のTrung My Tay村では中国の伝説をモチーフとした像や刀剣などの木彫が主製品。数十年前にフエやハノイの芸術学校を卒業、南部に移ってきた先代から技術を受け継いだ若き職人達が、毎日ノミを振るっているのだ。製作期間は簡単なもので2〜3日。複雑になれば1ヶ月以上もかかるとか。

世界20カ国以上で使われる
丈夫で長持ちなハイクオリティー竹かご

	材料の竹は全て、各家庭自らの手で育てたもの。職人1人が1日約25個のペースで編み上げていく。小さなザルや小物入れなど、雑貨店で時々見かけるような可愛い製品も

　Cu Chi区の西部、ライスペーパー村から車で20分程の所に位置するMy Khanh村は、竹かごの生産に力を入れている。国内は勿論、安価で丈夫なことから海外でも人気が高く、ここで作られる竹かごは20カ国以上もの国々に輸出、中には日本からの注文もあるとか。またこの村には各家庭での受注、生産を一括して請け負う団体も組織されており、大きな所では60人以上の職人を抱えている。今回訪れた時は写真のような農作業用道具を作っていたが、竹製品なら小物入れからデッキチェアまで、あらゆるものを製作可能。ただし、あくまでも大量生産が基本。個人でのオーダーが難しいのは少し残念。

（ベトナムスケッチ2003年9月号）