今だからこそ旧市街。
名所を巡る、温故知新の旅。
ハノイ有数の観光スポットとして、誰もが訪れる旧市街。「今さら何を?」とお思いだろうが、良いものはやはり良い。そこで、今もう一度訪れたい旧市街の必見名所を、注目の新スポットと共に巡る、「ぶらり散歩」といこう。
■ホアンキエム発、迷宮行き。
旧市街の顔に会いに行こう。
ホアンキエム湖の北側に広がる旧市街。迷路のように入り組んだその街並みには、木陰で休むシクロ乗りの姿や、天秤棒をかつぐおばちゃんたちの声が満ちている。そんな中、今回スケッチがお勧めするのは、タンロン水上人形劇場前のHang Dau通りから旧市街へ入っていくコース。
玉山祠が映えるホアンキエム湖を背にHang Dau通りに入れば、道の両側に所狭しと靴やサンダルの山、山、山。そしてそのままHang Be通りを抜け、Ma May通りに入ってスグ右側に見えてくるのが、第一の見どころ「Ma May87番の家」だ。
■名所その1「Ma May87番の家」
石造りの町屋が立ち並ぶ36通り地区で、僅かに残った木造の伝統的町屋。それがこの「Ma May87番の家」。1890年代に建てられ、元は漢方薬を商う一家が暮らしていたといわれ、フランス・ツールーズ市の財政支援を受けたハノイ市が、改修、保存工事を行った。受付ではハノイの歴史に関する文献や、英語解説付きのウォーキングマップ「ハノイ建築散策ガイド」など、ちょっとディープな本も売られている。
入場料: 5000ドン(約30円)
開館時間:8:00〜17:00
■名所その2「東河門」
Ma May通りからCao Duy Tu通りに入り北へ。そして、Hang Chieu通りとの交差点にきたらストップ! そう、右手にそびえる巨大な門、それが第2の名所「東河門」だ。1749年、旧市街の元となった、タンロン城の城壁に築かれた城門で、本来は16門あったのだが、現存するのはこのひとつのみ。ちなみに、東河門はQuan Chung門とも呼ばれている。1873年、紅河からこの城門に進攻してきたフランス軍に対して、軍と一緒に戦い英雄的な最期を遂げた役人Quan Chungを称え、名付けられたとか。
■名所その3「白馬祠」
遥か昔、タンロン(現在のハノイ)に城を建てようとした李朝の始祖Ly Thai Toは、なかなか進まない城壁の建築に困っていた。そんなある日、タンロンの街を走る白馬の夢を見た。そこでその跡をなぞって城壁を建てたところ、堅固な城壁ができ、以後その壁は外敵や洪水から町を守ったという伝説がハノイにある。そして、その城壁の要として東西南北の4方に置かれた祠の一つが「白馬祠」だ。Hang Buom通りとTa Hien通りの交差点近くにあり、今も途切れることなく参拝客が訪れている。通常正門はしまっているので、左手のくぐり戸から入ろう。
■それでも旧市街は、まだまだ広い。
その後は、ハノイ名物の一つ、仏具屋街のHang Quat通りを抜け、旧市街の西端にあるハンザ市場へ。市民の台所で空いた小腹を満たし、とりあえずの締めとしよう。このコース、ぐるっと巡って約2時間。ただし、これでも旧市街のほんの一部。まだまだ広く、魅力に満ちたこの街の、他のコースは…あなたの足で発見あれ。
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(2004年12月17日 金曜日 18:27更新) |