船から眺める人々の日常
ハノイ市の東側を流れ、肥沃なデルタ地帯を作り上げてきたホン河。そんなホン河を船でのんびり下るクルーズが人気だ。
コースは全部で4つあるが、バッチャンに立ち寄るコース1がオススメ。朝8時にハノイを出発し、まずはDen Dam(ザム寺)へ。2時間弱の道中は、民族音楽の生演奏を聞きながら、土手にひしめく家屋、水上ガソリンスタンド、水浴びする子どもたち...、河岸の風景を眺めていればあっという間に時は過ぎてしまう。10時前に船を下り、徒歩でザム寺へ。途中通りぬけて行く小さな村では、都市では見ることのできない素朴そのものの生活が営まれている。天・山・水の三聖母を奉っているザム寺を拝観した後は、そのまま徒歩で次のお寺、Den Dai Lo(ダイロ寺)に移動。
ダイロ寺の中では、老女が参拝者に赤い布を被せ、その上から頭上にお供えものを乗せて、なにやら怪しげな呪文を唱えている光景が見られることも。彼女は日本でいうところの「イタコ」で、死人の口寄せをしている真っ最中。ダイロ寺はこの道では有名なお寺で、休日ともなるとベトナム人で行列ができるほどだ。
最後はバッチャンに
船に戻り30分ほどクルーズして、今度はDen Chu Dong Tu(チュードントゥー寺)へ。若いカップルがはしゃぐのは、このお寺のご利益が縁結びだから。物売りをかわして船に戻ると昼食の用意ができている。お弁当タイプの盛り込みとスープという、いたってシンプルなものだが、デザートまで付いていてお得な気分にさせてくれる。
最後はいよいよ焼き物の里・バッチャン。通常は車で行き、大通りの有名店めぐりをして終わってしまうものだが、このツアーではバッチャンの裏通りに船が着くため、車で訪れる時とはまったく違ったバッチャンの裏通りを散策することができる。ハノイに戻ってくるのは、16時半ごろになる。ちなみにコース1のクルーズが運行されているのは週末のみ。クルーズはこれ以外に3コースあり、いずれも丸一日たっぷり楽しめるプログラムが組まれている。
本クルーズに関するお問い合わせ:スケッチトラベル
(ベトナムスケッチ2003年5月号) |