ハロン湾をまたぐ、世界有数の吊り橋「バイチャイ橋」が
日本の建設会社を中心としたプロジェクトの手により工事開始
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完成予想図 |
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中国の国境に接するベトナム北東部、クアンニン省の省都ハロン市は、ハロン湾観光の中心であるバイチャイ町と、経済、行政の中心であるホンガイ町から成っている。
この二つの町は海峡で二分されていて、行き来するにはフェリーを利用するしかなく、朝夕のラッシュ時は人と車で大混雑を繰り返してきた。確かにそうした風景は、ひとつの風物詩として有名なものの、実生活には不便極まりないものだった。そんな同地に、海峡をまたぐ全長903メートルの巨大吊り橋が、清水建設や三井住友建設など、日本企業を主体とする共同プロジェクトにより、去る8月1日、2006年末完成を目指して開始された。
この橋の工事には、日本のODA資金と世界最新の技術が使われ、橋の構造は東京湾のベイブリッジやレインボーブリッジと同じケーブルを張って吊る斜張橋。主塔間の長さも435メートルを誇り、一本吊りの斜張橋としては世界一の規模となる(二本吊りを入れると世界4位)。海面から橋までの高さは、約48メートル。世界遺産であるハロン湾に架かるものだけに、ユネスコ環境チームからの要請もあり、ハロン湾の景観も配慮、デザインもハロン湾内に橋脚を持たないスマートなものが選ばれたとのこと。この橋が完成すると、ハノイ、ハイフォン市と中国との陸上交通が大幅に改善されることになり、観光面、経済面での多大な効果が期待されている。
(ベトナムスケッチ2004年1月号) |