エイズに関する正しい知識と予防策
ベトナムで最初のHIV陽性患者が確認されたのは、1990年12月のこと。その後、感染者の数は、2002年10月には5万6000人を上回り、2003年には7万6180人に上っています。その内、エイズ(AIDS/後天性免疫不全症候群)に進んだケースが1万1659人、死亡者は2003年末までに6550人が確認されています。また、実際の感染者数は、公式報告よりかなり多いと考えられています。
一方、国連エイズリポートによると、日本では人口1億2700万人に対し、HIV感染者が1万2000人。この数は2010年までに5万人に達するとされています。
HIVに感染するのは、注射針の回し打ち、コンドーム無しの性行為、母子感染、HIV感染した血液を傷のある手などで触れた場合など。風邪のように空気感染することはありません。一方、性感染症にかかっている人だと、HIVウイルス感染の確率が数倍に跳ね上がります。
HIVは、体液(精液、唾液、膣分泌液)の中でしか生きられず、空気に触れると死滅してしまいます。つまり、HIV感染者と居住を共にしたからといって、それだけで感染することは100%あり得ません。
HIVを始めとする性感染症の予防策としては、コンドームを使用し、複数の相手と性交渉をしないことが鉄則です。特定の相手しかいなくても、相手が原因で感染する可能性も否めません。また、ピル(経口避妊薬)を服用している女性も、性感染症の予防のために、とにかくコンドームを使いましょう。
万が一、感染の恐れのある方は、早めに医師のアドバイスを受けましょう。日本では「HIV抗体検査」は保健所で無料、匿名で受けられ、ベトナムの諸医療機関でも検査、治療が可能です。
Dr.ラフィー・コット医師
ファミリー・プラクティス医院
(2006年2月号/2006年2月22日 水曜日 8:34JST更新) |