とっても役に立つメディカルトーク
救急医療処置の大切さ
日常生活の中では、気をつけていても、ちょっとした拍子に指を切ったり、鼻血が出たりすることがよくあります。
軽い外傷の場合、まずは@止血をする。Aばい菌などによる炎症、感染を防ぐ。B出血によるショックを防ぐ、といった対応が大切。特にベトナムのような衛生状態に不安のある環境では、傷口を化膿させないためにも、また2次被害的な状況(見知らぬ人への応急処置などで血液に触れてしまうなど)を避けるためにも、十分考慮が必要です。
まず、傷口を処置する前に必ず手を洗いましょう。病院で使われているようなゴム手袋があると一番良いのですが、スーパーなどのビニール袋で手を覆って対応する、という方法もあります。軽い出血なら、傷口を水や石鹸で洗浄した後、清潔なガーゼや包帯を当てます。ただし、出血がひどい場合にこの処置をすると、逆に出血を促してしまう場合があるので要注意。
また、ベトナムは血液感染するB型肝炎やHIVエイズ感染率の高い国。2004年度の報告では、B型肝炎感染者率が国民の22%。さらにドラック利用者の30%、風俗労働者の6%がHIVエイズに感染しています。この事実を念頭に注意して行動してください。
止血には、清潔なガーゼや包帯を患部にあてて押さえます。出血が続く場合は、2枚、3枚と続けて重ねて血液を吸い取ります。よく傷口の心臓に近い側を縛る方がいますが、これはむしろ旧式な方法。心臓より高い位置に患部を保ちながら、傷口を直接ガーゼで押さえて行う止血方法が現在は一般的です。また鼻血の際は、鉄則のようにティッシュなどをつめたりしますが、あごを引いて軽く前傾姿勢をとり、小鼻翼(こばな)軟骨を10分ほど押さえる方法がより効果的です。
2006年も安全を第一に良いお年をお迎えください。
ニコール・フエット看護士
ファミリー・メディカル・プラクティス医院
(2006年1月号/2006年1月27日 金曜日 8:13JST更新) |