ローリー先生のメディカルトーク
病気対策は、まずは予防から!
今年もまたインフルエンザが流行し始める時期になりました。以下の理由から、皆さんに予防接種をお勧めします。インフルエンザは、冬の間に(熱帯地域では1年を通して)流行する代表的なウィルスのひとつ。その症状は様々で、ひどい場合は死に至る場合もあります。一方、予防接種を受けておけば、インフルエンザウィルスが原因で起こる感染症の90%は防げます。
心配されている鳥インフルエンザの人間への感染に対しては、世界保健機関(WHO)が鳥インフルエンザが確認されている地域に居住する人々にインフルエンザ予防接種を勧めています。万が一、鳥インフルエンザに感染した際に、ひどくならずに済むためです。インフルエンザの予防接種は生後6ヶ月から受けられます。生後24ヶ月未満で前年に接種を受けていない乳児は、1回目の接種の1ヵ月後にもう一度接種が必要です。その他の場合は1回の接種で大丈夫。妊娠中でも問題ありませんが、卵アレルギーのある方は接種できませんのでご注意ください。
この他にもベトナムでかかりやすい病気に、A・B・C型肝炎があります。A型肝炎は、水や食べ物、ウィルスで汚れた食器などから感染し、急性肝炎を引き起こします。同じ理由から、腸チフスの予防接種もきちんと受けましょう。B・C型肝炎は血液や体液を介して感染します。性交渉などの際は特に注意が必要です。A・B型肝炎にはワクチンがありますが、C型肝炎にはありません。
また、日本脳炎は地方に4週間以上滞在される方が主な対象です。しかし、今年は都市部(特にベトナム北部)でも増えていますので、これも予防接種を受けておくのが良いでしょう。いずれの病気も、かかってからでは大変。つらい思いをしないためにも、今すぐ予防接種を受けましょう。
ローリー・ヘイワード医師
ファミリープラクティス医院
(2005年11月14日 月曜日 8:32JST更新) |