ローリー先生のメディカルトーク
狂犬病の予防接種を受けましょう
ベトナムで動物に噛まれたり、ひっかかれたりした場合、狂犬病にかかってしまう恐れがあります。家庭で飼われている犬やネコでも狂犬病をもっている場合がありますから、予防接種が必要です。噛まれたときは、傷口を洗ってすぐに病院でみてもらいましょう。
たとえ歯型がついた程度で、皮膚が破れていない場合でも、念のため医師のアドバイスを仰ぎましょう。噛まれたあとに接種する予防接種もありますから、慌てなくても大丈夫です。ただ、すぐに対処することが一番大切なのです。
というのは、噛まれたまま放っておくと、取り返しのつかないことになる場合があるからです。哺乳類にとって、かかってしまうと致命傷となるこの「狂犬病」という病気は、動物に噛まれたり、ひっかかれたり、傷口や目、鼻、口の粘膜をなめられたりすることで人間に感染します。傷口から体内に入り込んだウィルスは、神経末端に忍び、そこから脊髄、脳まで到達します。感染後、発症してから死に至まで、わずか1週間という短期の場合もありますし、数年間を経る場合もあります。通常、2ヶ月もすれば症状は決定的なものとなります。
「狂犬病」という病名からか、この病気を持っているのは犬だけ、と勘違いされる方も多いようですが、ネコ、サル、ネズミ、コウモリ、など他の哺乳類も狂犬病を持っています。実際、ネコにかまれても「たいしたことがない」と放っておく人がいますが、これは大変危険です。動物園や動物保護地区を訪れる際にも十分気をつけましょう。
ローリー・ヘイワード医師
ファミリープラクティス医院
(2005年5月19日 火曜日 11:16JST更新) |