ローリー先生のメディカルトーク
結核は空気感染します
ベトナム人が国外に渡航するためビザを申請する場合、健康診断が必要ですが、その際に結核が発見されるケースがよくあります。また、ベトナムでは10人に1人が結核にかかっていると言われています。50年ほど前のように、結核感染が命取りになることはないにしても、マラリヤやエイズと同様、結果は現在でも世界中で問題にされている感染症のひとつです。
結核のウィルスは空気を通して感染するため、特に人口密度が高い地域や職場、家庭において広がる恐れがあります。また、貧しい環境で頻繁に起こる症状でもあります。
結核がどういいうものなのか、よく分かってないと大変なことになります。正しい知識が無い為に、結核菌の保菌者があたり構わずせきをして菌を撒き散らし、周囲の人間に感染させてしまう場合があるからです。エアコンが作動している閉め切られた状態のバスや、学校の教室などでも、結核菌は人から人へとうつります。
主な症状としては、せき、血痰、発熱や寝汗、体重の減少、カラダがだるくて元気が出ない、リンパ腺がはれる、胸が痛い、などがあげられます。ただ、結核は治療が可能な病気であり、抗生物質を毎日服用すれば、6〜12ヶ月で完治します。また、外来治療が可能で、入院の必要はありません。治療を開始してから数日後にはせきがおさまるため、それ以上人にうつす恐れもありません。
現在、ホーチミン市内の一部の学校で結核が広がっています。ご心配な方は、ツベルクリン反応検査、胸部レントゲンを受けることをお勧めします。
ローリー・ヘイワード医師
ファミリープラクティス医院
(2005年2月19日 火曜日 11:16JST更新) |