ローリー先生のメディカルトーク
戦うカラダ
2004年の11、12月は、ホーチミン市在住者の間でもしつこいカゼの症状が蔓延しました。インフルエンザの予防接種を受けて、万一に備えられた方も多かったかと思います。一方で、熱が思うように下がらず、「何か重い病気なのでは」と不安を覚えられた方もいるのではないでしょうか。
今回は、発熱のメカニズムについて少しお話しましょう。発熱は人の体が持つ防護作用です。体温の上昇は、体内に侵入したばい菌と必死に格闘している状態を意味します。一般に、身体の免疫システムの機能を高めるために体温が上昇すると言われています。
何らかのウィルス感染が原因で発熱した場合、決められた分量以上の解熱剤を服用し、無理に熱を下げようとすれば、かえって回復を妨げることにもなりかねません。たかが熱といえども、医師のアドバイスや指示にきちんと従うことが大切です。
医師の診察を受けて、お薬が出ないと心配になってしまう場合もあると思います。「抗生物質をだしましょう」の声に、ほっとすることもあるでしょう。ただし、抗生物質は何らかのバクテリアが原因で発熱などが起きている場合のみの効果があるものなので、ウィルス感染に起因するカゼ、インフルエンザなどの症状には全く効果がありません。
高熱以外にも、せきや嘔吐、下痢の症状がある場合、むやみに日本から持参した総合感冒薬などを飲んで症状を悪化させるより、まずは医師の的確なアドバイスを受ける事が元気になる近道です。レントゲンや血液検査などを行い、感染の原因をはっきりさせた後、必要に応じて構成物質が処方されます。
用心してかからないと、不健康な生活パターンになりがちなのがベトナムでの生活です。適度な運動を心がけ、カラダも心も元気な2005年となることを祈っています。
ローリー・ヘイワード医師
ファミリープラクティス医院
(2005年1月19日 火曜日 11:16JST更新) |