ローリー先生のメディカルトーク
デング熱への注意は、今年も必要です。
新聞などですでにご存知かもしれませんが、ベトナムでは昨年に続きデング熱が流行しています。8月現在で感染者の数は3万5073人に上り、73人が死亡しています。この数字は昨年をはるかに上回ります。デング熱は周期的に流行する病気で、一般に雨期、または雨期が終わった直後に始まるといわれています。蚊を媒体として感染するこの症状は、感染する、胃や肝臓などの内臓器官、歯ぐき、鼻から出血を引き起こし、最悪の場合は死にいたる場合もあります。
主な症状は風邪によく似ており、頭痛、腰痛、関節痛、筋肉痛などのほか、発熱、眼底の痛み、吐き気、発疹などの症状も伴います。こういった症状が10日以上続く場合や、回復に何週間も要する場合があります。
デング熱に対する予防接種は現在のところまだ発見されておらず、何の動物が元々の感染源であるかは科学的に解明されていないのが現状です。予防策としては、とにかく蚊に刺されないようにすること。これはマラリアへの感染を避けるのと同様です。ホーチミン市内で感染するようなことはないかと思いますが、郊外や危険市域に足を運ぶ場合は、長そでの服にソックスなどをはき、手足の隠れる服装を意識して心がけましょう。ショートパンツにサンダル履きなどでは、たくさん蚊にさされても自業自得。
地元のスーパーなどでインドネシア製の虫除けクリームなどが買えますから、こういったものを活用されるのもいいでしょう。ホーチミン市外に出かける際は、日が落ちてからだけではなく、日中でも注意して行動しましょう。
ローリー・ヘイワード医師
ファミリープラクティス医院
(2004年11月2日 18:24更新) |