ローリー先生のメディカルトーク
知らないところに飛び込んで溺れては、
元も子もありません。
旅は人を大胆にするとよく言います。旅先でついつい調子に乗って慣れないダイビングにトライしたり、ハロン湾で船から飛び込んでみたり。でも、実際飛び込んだ先の水深がどれくらいで、どれくらい危険かなど、よ〜く考えた上での行動ですか…?
海や川など、水遊びにかかわることに油断は禁物です。海ヘビに噛まれたり、飛び込みの際のケガはもとより、人や物との接触からくる切り傷、打撲など、思いがけないアクシデントはいつでも起こりえます。
しかし、特に注意が必要なのが、水に溺れたり溺れかけたりする状況です。お酒を飲んで泳いだ結果、溺れてしまう場合もあります。飲んだ薬の影響で、たとえカゼ用鎮痛剤シロップでも、水の中でうつらうつらしてしまう場合もあります。また、自分の背丈より深いところで泳いだことから疲れてしまい、力つきて溺れてしまう状況も考えられます。
水の中では、周りで泳いでいる人や障害物にちょっとぶつかっただけでも、一時的に脳しんとうを起こしたり、めまいを起こしたりすることがあり、その間に溺れてしまう場合もあります。どれだけの深さか分からないところに飛び込んで、水底や岩に頭を打ちつけたりする危険性もあります。
アルコールなどを口にしたら泳がない、遊泳禁止サインの有無を確認する、一人で泳がない、などの常識をもって行動することはもとより、旅行にでかける前に救命処置のトレーニングを受けておくのもいいでしょう。
暑い中、海辺に出かける方も多いことと思います。十分気をつけてエンジョイしてください。
ローリー・ヘイワード医師
ファミリープラクティス医院(ダイアモンドプラザ裏手)
(2004年6月22日 9:29更新) |