ローリー先生のメディカルトーク
雨が降り出したらシーフードにご注意
これまでも何回か、このコーナーでも取り上げて来ましたが、季節柄、雨季と食中毒の関連性についてお話したいと思います。年間を通してよくある症状ですが、食中毒の症状でクリニックに駆け込んで来られる方が、最近また増えてきました。
調理時の扱いや、実際に口に入るまでの衛生管理が、やはり一番一般的な食中毒の原因としてあげられます。しかし気候の関係で、この時期はカニ、エビ、ムール貝、カキなどの魚介類には特に注意が必要です。この時期は、気温も湿度も非常に高くなります。また、水揚げされた魚貝類が、レストランに届けられるまでの保存・搬送に関するコンディションは、ベトナムではまだ万全とは言えません。
そういった状況を考えますと──シ−フードに目がない方には多少酷ではありますが──きちんとした条件下で搬送、冷蔵保存、調理されたことが確かなもの以外、この時期の魚介類はできたら避けたほうが良いでしょう。
食中毒の最も一般的な症状は、ひどい吐き気、嘔吐、下痢(便に血が混じる場合もある)、さむけ、発熱、頭痛、関節の痛み、おなかの激痛、などです。食中毒にともなう脱水症状は、高齢者、乳幼児には危険な症状ですから、「単なる下痢だから」と甘く見ず、迷わず医師の診断を仰ぎましょう。水分の補給と、必要であれば抗生物質などが処方されます。
ローリー・ヘイワード医師
ファミリープラクティス医院(ダイアモンドプラザ裏手)
(2004年5月25日 9:07更新) |