ローリー先生のメディカルトーク
元気で賢く生きたい人には定期健康診断
「健康に関することは病気になったときに考えればいい」くらいにお考えの方は、定期的に健康診断を受けることで、無駄なく心身ともに健康な生活ができるという点を見落としがちです。このことは、ほとんどの人にとって考えてもみなかったことかもしれません。ベトナム人にしてみれば、健康診断を受けること自体が経済的にもアクセス的にもむずかしい問題かもしれません。
ただ、ストレスのたまりやすい職場環境で頑張っている、働き盛りの私たち外国人にとって、定期健康診断は責任をもって受けるべきものと考えます。定期健康診断を受けておいて良かった、と命びろいをする状況に遭遇することもないとは限りません。こういった健康診断で病気の兆候をいち早く見つけて、あらかじめ予防策を講じることもできます。また、症状が悪くならないうちに治療をスタートすることも可能です。
具体例をあげれば、検便から寄生虫の有無が確認できます。血液検査によってB型肝炎、HIVエイズ、性感染症が割り出されます。血液中の脂質量は、心臓疾患に関するリスクを知る目安になります。腫瘍マーカー(AFP)で胃腸系のガンが確認できますから、ガンの早期発見治療には欠かせません。女性対象に行われる子宮頸ガンもこの一例です。
健康診断に組み込まれているトレッドミル機器を使って行う検査は、人の身体の要である心臓や肺に血液がきちんと送り込まれているかどうかを調べます。この検査で痛みなどが生じた場合は、高コレステーロール症、高血圧症、肥満、ニコチン中毒、アルコール摂取量過多など、よく考えられる原因から、そうでないものまで、早急の原因究明が必要です。健康診断を受ける際は、検査を受ける前日の夜から食事(コーヒー、タバコ、アルコールを含む)をいっさい断ってのぞむことが必要です。
ローリー・ヘイワード医師
ファミリープラクティス医院(ダイアモンドプラザ裏手)
(ベトナムスケッチ2004年4月号) |