ローリー先生のメディカルトーク
忍び寄る風邪ウィルスにご注意
風邪を引かない人はいないと言ってもいいくらい、風邪はごく一般的な病気です。鼻水、せき、のどの痛みが主な症状ですが、こじらせると熱が出たり、筋肉痛、頭痛などの症状も伴います。"よくある病気"ではありますが、西洋医学の世界ではいまだにこれといって効果的な治療法がありません。その理由として、風邪はウィルスの仕業によるものだ、ということがあげられます。風邪の症状の原因となるウィルスは無数に存在します。また新しい型のウィルスに"変身"する力もありますので、X型の風邪に一度かかって免疫ができたとしても、次にX型の風邪にかかった時に体が完璧に抵抗できるというわけではありません。
例えば、新しい抗ウィルス剤が続々と薬局の店頭に登場しますが、実際のところそういった新薬が驚異的な効果を発揮するかといえばそうでもなく、まあ、おばあちゃん秘伝のはちみつ入りホットレモン、日本でいえばたまご酒、ベトナムならば、吸引温療法cuppingといったものと、その効果のほどはさほど違いがないように思えます。
しかし風邪薬は症状を抑えるには効果的な場合もあります。けれども飲んだからといってその分早くよくなるというわけではありません。例をあげるとパラセティモ(Paracetamol)は痛み止めの一種で筋肉痛などに効果がありますが、解熱剤として風邪の症状にもよく処方されるお薬です。しかし、発熱は体の免疫システムを高めるためのものですから、それ自体は悪い症状ではありません。
風邪にかかった時は、症状が落ち着くまで安静にしていることが大切です。大切なポイントをいくつかあげておきましょう。
- 体を十分休め、睡眠をたくさんとる
- 水分をたくさんとる(1日1〜2リットル)
- バランスのとれた食事を心がける
- せきやくしゃみをする時は、周りの人にうつさないよう手やティッシュで防ぐ
- 料理や食事の前に手をよく洗う
- 喫煙を控える
ローリー・ヘイワード医師
ファミリープラクティス医院(ダイアモンドプラザ裏手)
(ベトナムスケッチ2004年1月号) |