ローリー先生のメディカルトーク
体の健康よりも危険な交通事故
ベトナムに長く生活していると、病気よりも無謀で混乱状態の道路事情のほうが、日常生活をしていく上でよほど危険で、気を付けなくてはいけないことと分かってきます。どこでどうやってバイクの数を減らすか、いつどうやってヘルメット着用の規制を強化するかなど、お役人たちも頭が痛いのがこの問題です。
ヘルメット着用は頭部挫傷を防ぐための手段ではありますが、これでバイク事故による死亡率が激減するわけではありません。道路を利用する人が、周りの人にもっと注意を払い、責任を持って運転にのぞむという基本的な考え方が要求されています。
とはいえ、私たち外国人は自分たちの身は自分たちで守らなくてはなりません。ベトナムでバイクを運転する予定であれば、お持ちの傷害保険がご自分で運転して事故に遭った場合、対象になるのかをまず確認してみましょう。もし保険の対象にならないのであれば、運転をしないほうが賢明です。バイクタクシー(セオム)の後ろに乗って事故に遭った場合は、その責任は運転手にあります。もしかしたら免許も保険もない人かもしれません。自分の身をあずけるリスクの大きさを十分に考えてみましょう。また、バイクの後ろに乗る場合でも、ヘルメットの着用を心がけましょう。
車の場合は、シートベルトを着用(ついていれば、ですが)してください。そして万が一に備えて、外出する時は、血液型、保険証書、身元確認になるもの(パスポート、学生証など)をお持ちになるとよいでしょう。
これから年末でご旅行の計画も多くなると思います。十分に気をつけて旅をエンジョイしましょう。
ローリー・ヘイワード医師
ファミリープラクティス医院(ダイアモンドプラザ裏手)
(ベトナムスケッチ2003年12月号) |