ローリー先生のメディカルトーク
おできができたら・・・
皮膚にできた「おでき」というものは、痛いのを承知で破ってしまいたくなるものですが、これは絶対にやめておいたほうがいい行為です。というのは、破れた傷口から出た膿が、その周辺の皮膚にも"汚染"して、症状がかえって広がる原因になるためです。
おできは、それ自体で広がる力をもっており、皮膚下に炎症が起きて化膿した場合、カンブンケルという固まりを形成します。通常こういった症状は、黄色ブドウ球菌属バクテリアが皮膚の中に侵入して化膿性感染した結果起こります。おできによっては1日で完全に赤く腫れあがったものでも、10〜20日くらいで自然治癒する場合もあります。ただ、ひどくならないうちに処置したほうがもちろん賢明で、広がる恐れも防げます。
家庭でできる処置方法としては、痛みを取り除くためにお湯で患部を暖める方法があります。タオルを使ってお湯で患部を20分ほど暖める方法で、これを1日に3〜4回繰り返します。炎症が広がるのを防ぐには、入浴時はシャワーだけで済ませておいたほうが無難でしょう。毎回新しいタオル、使い捨てのペーパータオルを使うよう清潔を心がけましょう このほかにおできを切開して膿を出す処置法もあります。また、薬をつける場合は、抗生物質配合クリームや軟膏は必ず医師から処方されたもののみを使用しましょう。軽い炎症の場合は、抗生物質などは必要のない場合もあります。
まわりの人からおできをもらったりしないように、皮膚は清潔に保ち、タオル、寝具、洋服などの共用は避けるなどの心掛けも必要です。その他のおできの原因として、栄養不足、病気による免疫力の低下、糖尿病、免疫抑制剤の使用なども可能性としてあげられます。
ローリー・ヘイワード医師
ファミリープラクティス医院(ダイアモンドプラザ裏手)
(ベトナムスケッチ2003年9月号) |