ローリー先生のメディカルトーク
1日3リットルの水で暑さと勝負
季節は雨季に入りましたが、毎日の暑さが原因で体調がくずれるのもこの時期です。熱バテ(いわゆる、日本語でいう夏バテ)からくる脱水症状の改善には、毎日たくさん水を飲むことが大切です。 医師のアドバイスでは、最低1日3リットルの水を飲むことを勧めています。水分といっても、アルコールはこの暑い気候では脱水症状を助長するだけでかえって逆効果です。ものすごく暑い時や激しい運動のあとなどには、スポーツドリンクを飲むのもいいでしょう。
熱バテの主な症状として、頭痛、筋力の低下、痙攣(けいれん)、めまい、立ちくらみ、吐き気、視覚異常、肌のほてり、ひどい発汗、発熱などがあげられます。痙攣は、脱水症状の結果筋肉に血液がよく流れなくなって起きる症状のひとつです。定期的にエクセサイズをしている人は、エクセサイズ前後はもちろん、エクセサイズ中にも水分の補充を怠らないように特にこの時期心がけましょう。
もし、暑がっている人が、混乱したり、イライラしたり、ひきつけを起こすようであれば、それが昏睡状態や死につながることにもなりかねません。その際は、まずその人の熱を取り除く対処すばやく行い、すぐに病院に運ばなければなりません。涼しいところに移動させ、シャツやソックスなどを脱がせ、ぬるま湯で身体を拭いたり、扇子であおいだりすることで体温を下げることができます。
失った水分をはやくとり戻すためには、可能であれば症状が現れてから1時間以内に水を1リットルは飲むことが大切です。人間の身体は塩分を調整する力がありますから、電解質をとる必要は通常ありませんが、症状が重い場合は、点滴などで電解質の補充も必要になってきます。ホーチミン市やバンコクのような熱帯性気候に馴染めず、吹き出る汗、不快感と始終格闘しなければいけない人は、水分をたくさんとり、エアコンのきいた部屋で過ごすことで最悪の状態をまぬがれます。
ローリー・ヘイワード医師
ファミリープラクティス医院(ダイアモンドプラザ裏手)
(ベトナムスケッチ2003年7月号) |