ローリー先生のメディカルトーク
子どもは子ども、
小さな大人ではありません
育ち盛りといっても、新生児期から16歳くらいまでの子どもの健康にも、見落としてはいけない点がいくつかあります。子どもはあくまでも子どもであり、小さな大人として扱われるべきではありません。
子どもにとってこの時期は、体格や内臓、脳の発達など、大切な成長過程であり、そのためこの分野を専門とする専門医、小児科医が必要とされます。投薬もしばしば大人の処方とは違うものが必要となります。病気の原因も時として乳児と大人とでは違うことがあり、同じように熱が出ている症状でも、その原因がこの二者ではまったく違ったものに起因している場合もあります。
髄膜炎にかかる危険性は乳児のほうが高いといわれていますが、これは血液中に侵入したバクテリアが、乳児では脳に容易に到達しやすく、また新生児においては免疫システムがしっかり発達していないといった事実にも関連しています。その意味でも、生後の1年間は、乳児にとって脳の発育上大事な時期ですから、乳児を持つ親御さんは、この期間の定期検診を怠らないことが大切です。心臓や腎臓の健康状態はもとより、遺伝性の疾患がないかどうかもチェックしておきましょう。
また、体内にとりいれる栄養は、子どもの成長にとって重要な要素です。この時期に基本的な栄養分が不足すると、知恵遅れの原因にもつながりかねませんので、バランスのよい食事を心がけましょう。
ローリー・ヘイワード医師
ファミリープラクティス医院(ダイアモンドプラザ裏手)
(ベトナムスケッチ2003年5月号) |