歯の話
虫歯の作り方
<材料>
- 歯を用意してください。乳歯や生え変わってから2年以内の永久歯などは柔らかくて最適です。また、年齢を重ねたり、歯周病にかかり歯茎が下がり歯根が出ている歯も簡単にできます
- ショ糖(砂糖)を多く含んだ粘り気のある食べ物を用意します。キャラメル、飴、クッキーなどは、口の中に停滞する時間が長く最適。キシリトールなど、菌が酸を作りにくいものは避けましょう
- 虫歯菌を用意します。色々な種類がありますが、他の虫歯菌も歯に付着しやすいように不溶性のグルカンを作ってくれるミュータンス菌が最適でしょう。菌の種類や数は人によって違いますが、殆どの方がこの菌を持っているので、探す必要はありません
<作り方>
さて、作り方は簡単! この3つをミックスするだけ。ミュータンス菌がショ糖を食べてベトベトな膜(グルカン)を作り出し、他の虫歯菌をそこに付着させます。そして共 に酸を作り出します。この酸は歯の表面のエナメル質が溶けるくらいの強酸です。これによって歯に穴が 開き、虫歯ができます。口の中にできるだけ長時間、菌の餌になるショ糖を含むことによって歯は酸の影響を長く受けられます。だらだら食べは虫歯には最適なのです!
<注意>
唾液の中には抗菌成分やPH緩衝作用、再石灰化作用があるため、虫歯作りの妨げになります。唾液の多い方や、歯質の強い方、口の中にミュータンス菌の少ない方は虫歯作りには向きません
ごめんなさい。冗談が過ぎました...。虫歯の原理についてお話したかったのです。虫歯は歯・食べ物・細菌・時間がそろえば簡単にできてしまう病気です。この3つのうちどれか一つだけでも調整することによって虫歯へのリスクを小さくすることができます。虫歯を作らないコツ、お分かりになりましたか?
文=歯科衛生士 小野 容子
厚誠会デンタルオフィス・サイゴン
(ベトナムスケッチ2004年2月号) |