歯の話
ベトナム病!?
ベトナムに住むようになって、「どうも歯がしみる・・・」と思ったことありませんか?
実際、当医院も歯にひびが入ったり、歯根が折れたりして来院される患者さんが、日本の医院に比べ非常に多いのが現状です。そこで皆さんの「ベトナムライフスタイル」と「ニホンライフスタイル」を比較させていただきました。(独断的!?)
- ストレスの量は?
- 食事のバランスは?
- スポーツの回数は?
恐らく、ベトナムライフの方が大・悪・多とお答えになる方が多いのではないでしょうか?人はストレスを感じるとグッと歯を喰いしばり、寝ている間にも歯ぎしりが増えます。歯ぎしりをしている時の咬合力は体重の倍近くの力がかかっています。目が覚めている時にはあの恐ろしい音はだせませんよね。歯ぎしりは想像以上に大きな力で起こる現象なのです。また、外食が増え栄養のバランスが崩れると歯質はもろくなります。そして一番問題にしたいのがスポーツの回数。ゴルフ、ラグビー、テニス、サッカー、格闘技などの回数は増えていませんか?
歯の一番外側は骨より硬いエナメル質と呼ばれるハイドロキシアパタイトの結晶でできていますが、摩擦や衝撃に弱い特徴があります。歯ぎしりやスポーツによる喰いしばりによって結晶が剥がれ落ちたり、ひびが入り、その隙間から歯の中心の神経に外来刺激が到達し、しみるのです。
では、歯根が折れるのは? 以前お話ししましたが、神経を抜いた歯(失活歯)は生活歯に比べカルシウム分が落ち、もろくなっています。そこに自分の体重以上の喰いしばりによる力がかかるのですから、「パキッ!」と、折れるわけです。スポーツ中に何度喰いしばりますか・・・?
これらを防ぐためには、睡眠時やスポーツ時にマウスピースを利用し、喰いしばりによる衝撃を緩和させることが有効です。もちろんミネラルたっぷりの栄養バランスがとれた食事も大切です。正しいケアで楽しいベトナムライフをお過ごし下さい。
文=歯科衛生士 小野 容子
厚誠会デンタルオフィス・サイゴン
(ベトナムスケッチ2003年10月号) |