歯の話
ウエディングベルが鳴る前に
永遠の愛を誓い結ばれようとしている二人は、いかに経済不況の真っ只中であろうとも、人生の喜びの極みに狂酔していることでしょう。お二人で今後の人生を想像していく過程は、楽しみばかりではないかもしれませんが、大変に有意義なものです。ことに、お互いの健康を気遣うことは思いやりであり、愛する相手に対する当然のエチケットです。そんな折、もう一度「口」について考えてみてはいかがでしょうか。
特に口元は感情を表現するのに重要な器官です。いつも周囲から見つめられています。そして顔の中で最も豊かな表情の現れる部位といっても過言ではないでしょう。あなたのお顔は既に十分に綺麗なはずです。もし気に入らなかったとしても簡単には変えられません。しかし、あなたの素敵な笑顔はまだまだ美しくなるチャンスがあります。そうです。笑顔の中に虫歯や歯石、歯肉炎、タバコのヤニ等を見つけてしまった り、顔を寄せ合って話している時に口臭があれば百年の恋も冷めてしまいかねません。自分は気付かなくとも、周りの人が不快に感じてしまうこともあるのです。
さて、結婚生活が始まったとします。夫も妻も、仕事や家事や子育てに忙しく、自分の事にかまっている時間が確実に減少してしまいます。また、女性が妊娠中に歯の治療を受けることは、避けれるものならできるだけ避けたいものです。
やがて・・・、ついに二人の愛が確かなものとなります。鐘の音と共に、ヴァージンロードを肩を寄せ一歩ずつ歩んでいくシーンを想い描いてみて下さい。二人はこれまでにない最高の笑顔、そして幸せを周囲に見せていることでしょう。
文=歯科衛生士 小野 容子
厚誠会デンタルオフィス・サイゴン
(ベトナムスケッチ2003年9月号) |