歯の話
かぶせ物の下は?
お口の中のかぶせ物(補綴物・ほてつぶつ)の下はどうなっているかご存知ですか? 補綴物が入っている歯はほとんどの場合、虫歯によって歯質を失っており、補綴物はそれを補うために用いられています。しかし、外から見て同じ形の補綴物であっても、かかった虫歯の大きさによって補綴物の下の構造は違っています。
A 虫歯が小さく神経を抜く処置をしていない場合:中心の神経を守るために、歯質を再生させる薬を入れ、セメントで蓋をして、補綴物をかぶせます。
B 虫歯が大きく神経を抜く処置をした場合:神経を抜いたところにゴム状のポイントを入れて密封し、土台を入れて補綴物をかぶせます(神経を抜いた歯は血管から栄養を得られず折れやすくなるため、土台を入れるケースが多い)。
しかし、治療が済んだからといって安心してはいけません。時間の経過に伴ってプラークが溜まりやすくなっていたり、接着セメントが溶け出した場合は再度虫歯になる可能性が高いのです。治療を受けた後も油断をせずに管理し、万が一、補綴物が外れたら早めにそれを持参し受診しましょう。補綴物が外れた歯は虫歯になりやすいだけでなく、折れやすいので注意しましょう。
文=歯科衛生士 小野 容子
厚誠会デンタルオフィス・サイゴン
(ベトナムスケッチ2003年7月号) |