歯の話
お母さんへ
遠く離れた異国の地での子育ては本当に大変ですね。そこで、子育て奮闘中のお母さんにお届け!今回は子供の歯についてお話します。
生まれたばかりの赤ちゃんの口の中は無菌です。その後、親などとの接触によって感染し、その子の口腔常在菌が決まります。ですから、虫歯の多い親を持つ子供は、同じように虫歯になりやすくなります。対策としては、親自身が早く自分の虫歯等の治療を行い、菌数を減らすこと、同じ食器を使用しない、噛み砕いたものを与えないなどがあります。
まず生後6ヶ月ごろ、下顎前歯が顔を出します。最初の4本は前から順番に生えますが、1歳ごろ奥歯が先に生え、その後、出来たスペースを埋めるように1歳半ごろに1本、2歳ごろ奥にもう1本生えてきます。20本生え揃うのは2歳半くらいです。このとき、上顎の前から2と3番の間と、下顎の3と4番目の間にスペースが見られることがありますが Don't worry!また、5歳ごろ、全体的に隙間が開きますが、これも顎骨の成長に伴う現象なので Don't worry! そして6歳ごろ乳歯列の後ろに第一大臼歯が生え、下顎の前歯が抜け、永久歯に生えかわります。乳歯の萌出とほぼ同順番で生え変わり、最後に12歳ごろ、1番奥に第二大臼歯が生えてきます。つまり、奥歯8本は乳歯が無く、1度しか生えないのです。
ここで問題にしたいのは、最初に生える永久歯の、第一大臼歯です。歯磨きが上手に出来ない6歳ごろに萌出してしまう上、萌出したばかりの歯は石灰化が乏しく、咬む面の溝も深いので、非常に虫歯になりやすい状態です。萌出した時点で歯医者さんにシーラント(溝を埋める処置)をしてもらいましょう。また、歯質を強くするために年に2度のフッ化物塗布も有意義です。小学生の口の中は、隙間が開いたり斜めになったりと様々な変化が見られますが、隣の歯が生えてきて、初めて位置が決まります。悩まず、暖かく見守ってあげて下さい。
文=歯科衛生士 小野 容子
厚誠会デンタルオフィス・サイゴン
(ベトナムスケッチ2003年5月号) |