歯の話
親知らず
先日、患者さんより「親知らず」についての質問メールを頂きました。まだ親知らずをお持ちの方、ご参考になさって下さい。
●「親知らず」があると歯並びが悪くなる?
生え方によっては、歯並びに影響を与える可能性は、充分に考えられます。特に、アゴの小さい方や、既に歯並びが前後されている方は、起こり得る事です。また、歯茎の上に生えていなくても、骨の中で成長し、一番後ろの歯の根っこを押し、炎症をおこすケースもあります。
●抜歯手術は危険ですか?
生え方だけでなく、アゴの骨の厚さや、太い神経との位置関係、全身の健康状態などにも深く関係しています。そのため、個人差が非常に大きく、危険度は一定ではありません。診断の重要性は軽視できません。
●抜歯後、何日で傷はふさがりますか?
一般的には、歯茎は1〜2週間でふさがり、その下で骨が1〜2ヶ月かけて穴を埋めてゆきます。縫合した場合、抜糸を一週間後に行います。抜歯後1週間以内に何の問題も起こらなければ、順調に回復するのが殆どです。
●真っ直ぐ生えていれば抜かなくてもいい?
はい。虫歯や歯周病も無く、かみ合わせの具合もよい場合、将来、他の歯を失った際に移植に使用出来ますので、大切に育ててください。
●抜歯後お酒を飲んでもいい?
だめです! 飲酒や激しいスポーツ、長湯は出血の原因になります。1日だけ我慢してください。出されたお薬は決められたように飲みましょう。
親知らずは、一番奥に位置し、頬やアゴの骨が邪魔して歯磨きが難しく、トラブルを起こしやすい歯です。ご自分の親知らずの状況を把握した上で、正しいケアをして下さい。特に、女性の方、妊娠中は薬の服用が制限されてしまいます。早めの受診をお勧めいたします。
文=歯科衛生士 小野 容子
厚誠会デンタルオフィス・サイゴン
(ベトナムスケッチ2003年4月号) |