歯の話 by土谷尚輝
策はあるのかっ!?
はじめまして。土谷尚輝と申します。私の存在をご存知無い方が多いと思いますが、KOSEIKAIには日本人スタッフが2名しておりまして…1名は、いつもベトナムスケッチの誌面でお馴染みの「Yoko Ono」。もう1名が私です。どうぞお見知り置きを! 今回は、"露出度が少なすぎる"という一部の声に後押しされ、紙面を奪い取りペンを執らせて頂きました(次回以降は「Yoko Ono」に戻りますのでご安心ください)。
さて「歯の話し!」…とは書けるはずもなく(私は事務屋)、何のお話をしようかと考え、事務屋なりに最近感じたことを書かせて頂くことにしました。
日本経済は相変わらず"景気低迷中"ですが、その影響がベトナムで感じ取れるできごとは、各健康保険組合における"海外療養費"の審査基準が厳しくなっているように思われる点です。当医院では、当然日本の健康保険制度を意識した申請書の作成を行っておりますが、患者さんの口から"思ったよりも還付が少なかった"との声を耳にすることが希にあります。こちらも驚き、日本側(厚誠会)と協議の上、改善策を講じようとするのですが、書類上の不備が見当たりません。
こうした状況から我々が導き出した仮説が"健康保険組合の財政難による申請却下"です。近年、健康保険組合としての認可を返上し、活動に終止符を打つ組合が増えています。この主な理由も財政難です。
また、日本の健康保険制度における診療報酬の審査基準が、実際の歯科医療に即していないことも事実です。日本ではどうしても審査基準に合わせた治療を行いますが、海外ではその必然性がありません。ですから患者さんの症状に即した最良の治療計画を提示し、治療を進めます。この場合、日本の健康保険制度に即さない治療となり、還付申請をしても却下されてしまうことがあるようです。
(ベトナムスケッチ2003年3月号) |