ベトナム戦争をベトナム側から描いた感動作
映画「コウノトリの歌」ロードショー決定
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映画「コウノトリの歌」 |
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多くの日本人は、これまでアメリカ映画やアメリカのテレビ映像を通してしかベトナム戦争を垣間見ることができなかった。アメリカ映画には『地獄の黙示録』『プラトーン』『フルメタル・ジャケット』といったベトナム戦線そのものの苛烈さを描いた傑作があり、ほかにもアメリカ人の喪失感を描いた『ディア・ハンター』『帰郷』『7月4日に生まれて』といった反戦系の問題作も生まれた。
しかしどの映画もベトナム兵士は野蛮なサルのような存在としか扱われず、“チャーリー”と呼ばれて揶揄されていた。わずかにノン・フィクションを原作とした『ワンス&フォーエバー』でベトナム軍が勇敢で戦闘能力が高い優秀な兵士の集団として描かれていたのが印象に残る程度だった。 だが、実際にはベトナム軍の兵士は米軍に比べ戦力が劣る中で実に立派に戦った。この映画でもサンダルをはいた兵士たちが、それぞれに内面の葛藤を抱えながら前進していく姿を感動的に捉えている。
この映画に描かれたベトナム軍兵士たちは、アメリカ映画に描かれた戦闘マシンのような兵士ではなく、それぞれが故郷や肉親や妻や子を愛する人間であることが強調されている。ベトナム戦争で心に深い痛手を受けたのは、アメリカ人ばかりではなかった。ベトナムの人々にとっても戦争で失ったものは、あまりにも多かった。その事実をベトナム人の立場で描いているのが本作なのだ。
「コウノトリの歌」公式サイト
http://www.gaga.ne.jp/kounotori/
公開:
8月28日より、銀座シネパトス、新宿ジョイシネマ3
他全国順次ロードショー
監督:
ジョナサン・フー
グエン・ファン・クアン・ビン
出演:
ドー・ハイ・イエン
ファム・ジア・チー・パオ
ター・ゴク・バオ
トラン・マイ・グエン、他
配給:
ギャガ・コミュニケーションズ
アニープラネット
(文=アニープラネット) (2004年8月13日 10:20更新) |