<第二回>
フォー [Pho]
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(上)半生の牛肉と胃を載せた「フォーボーターイサック/Pho Bo Tai Sach」/(下)ホーチミン市のフォー屋さんのメニュー。この店では8種の具のバリエーションがあり、具の点数や組み合わせも自由 |
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ベトナムのお米の麺「フォー/Pho」は、日本でも専門店ができるなど、よく知られた存在。数あるベトナムの米麺の中でも、薄く引き延ばして蒸した米生地を幅広に裁断して作る麺のことを指します。
さて、この米麺と合わせるスープですが、牛と鶏のスープの2種類があります。日本では鶏の方がポピュラーですが、実はフォーは牛肉を食べる料理として生まれたという背景があり、現地では牛フォーが主流です。
先日、料理教室の生徒さんから質問を受けました。「サンフランシスコに住んでいた頃、近くにあったベトナムのフォーのお店には、すごくたくさんの牛肉の具のメニューがありました。ベトナムでもそれほど種類は多くなかったのですが、どうしてでしょう?」と。
確かに…。特にフォーの本場である北部ハノイのフォー屋さんのメニューは、煮込んだ牛肉のフォー「フォーボーチン/Pho Bo Chin」、半生牛肉をのせた「フォーボーターイ/Pho Bo Tai」、または両方をのせたものしかないところも多くあります。しかし南部ホーチミン市へ行くと、煮込み牛肉の中でも肉の部位が選べるお店があります。バラ(Nam)、肩バラ(Gau)などは一般的でどのお店にもありますが、老舗のフォー屋にはスネ(Bap)、腱(Gan)、胃(Sach)、牛肉団子(Bo Vien)などがあったりもします。
メニューのコピーを見せてもらったところ、具はホーチミン市にあるお店と変わりませんが、部位のトッピングが1〜3種類、そしてそれぞれの部位の組み合わせが、バラと胃、バラと牛肉団子…などと丁寧に全て書かれていたので、具のバリエーションが多く見えたのでしょう。このような様々な具のフォーは、ベトナムならホーチミン市の老舗のフォー屋さんで食べられます。
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