＜フエ＞
ちょっぴりマニアな隠れ名所の旅�M
石碑に刻まれた高級官僚の栄光
フエの文廟（1808年)

	34ある石碑には、各時代の文官の名前と出身地が刻まれている。1835年には、隣に武官のための「武廟/Vo Mieu」も建てられたそうだが、現在は残っていない

　ベトナム中部のフエ（Hue）へ来て少し時間があったら、ティエンムー（Thien Mu）寺の先にある「文廟/Van Mieu」にも立ち寄ってみよう。「文聖廟/Van Thanh Mieu」とも呼ばれるこの文廟は、1808年グエン（Nguyen）朝の創始者ザーロン（Gia Long）帝の時代に建てられたものだ。
　文廟とはそもそも孔子を祀る廟で、グエン朝時代とても重要視されていた。現在は、少し朽ちた大成門と34ある石碑しか残っていないが、大成門に上がりフーン（Huong）川を望むと、そこにかつて使われていた船着場の跡を見ることができる。
　ザーロン帝の時代にまず文廟が建てられ、その後拡張された他、文官を目指す人たちが勉強をする場所もあった。かつて文官と言えば超高級官僚で、その職を目指す夫を支えるために妻たちは必死に働いたそうだ。その名残なのか今でもフエの女性はよく働き、一方で男性たちは…。のんびりとコーヒーを飲んでいるのかもしれない。 （参考：『フエ歴史辞書』p.860 p.875、『ベトナム世界遺産』p.105）

Van Mieu
住所：Kim Long St.を直進。ティエンムー寺を過ぎて車で約2分の右手。大成門が目印
電話：なし
営業時間：なし（照明が無いので日中に）
入場料：なし

（2009年3月号/2009年3月16日 月曜日 18:01JST更新）