<フエ>
フエに残るユニークな遺跡
グエン朝の皇帝が遊んだ円形競技場
円形闘技場は、観光コースに入っていないのが不思議なくらい、とてもユニークな遺跡。グエン(阮)王朝2代ミンマン皇帝が1830年に建設し、最後の試合が行われた1904年まで使われていた。ここでは、象とトラを戦わせ、それを皇帝や皇族、文官や武官が余興として観戦を楽しんだとのこと。
ところで試合はどちらが勝ったか…? これはいつも決まって象。というのも、象は国の権力や安定を象徴する動物と見なされていたため、勝たなければならなかったのだ。象を勝たせるために、戦う虎の牙は事前に斬られ、最後は象が虎を踏み潰す。「どんな強い敵がいても象が勝利を収める」という、グエン王朝の権力や強さを表現するような試合であったらしい。
以前は兵士を立たせて円をつくり、その中で象と虎を戦わせていた。しかし、試合中に死傷者が出たこともあり、兵士が恐れをなした。そこで専用の闘技場を作らせることにしたのが、この円形闘技場を作ったいきさつだとか。今は、住宅街の路地の奥にひっそりと眠っており、競技場の中に入ることはできないが、外壁の上に登って、中の様子を見ることはできる。入場料は不要。
【アクセス】
チャンティエン橋から車で15分。フエ駅から西へ伸びるブイティースアン(Bui Thi Xuan)通りを約5分直進、KIET 373という路地を左に入って数分。
(2005年8月9日 火曜日 8:09JST更新) |