＜フエ＞
「おばけ」も仰天の旨さ?!
有名フエ料理のルーツ発見
クアンコムアムフー [ベトナム料理]

	同店一押しの「五目ごはん/Com Thap Cam」（2万ドン/約160円）。1935年の開業当時から、その味は変わらず
	(右上)こちらも開店当時より人気の「ネムルーイ/Nem Lui」(5万ドン/約390円）。焼きたての豚のつくねを野菜と一緒にライスペーパーで巻いて。特製みそだれが美味

　ホーチミン市などにある高級フエ料理店のメニューに必ず登場する、フエ風混ぜごはん「コムアムフー/Com Am Phu」。その元祖と言えるのが、この店の特製五目ごはん「コムタップカム/Com Thap Cam」だ。

　皿盛りご飯の上に、自家製焼き豚、ハム、きゅうり、海老そぼろをどん、と載せただけの素朴な一品だが、香ばしい焼き豚と爽やかな酢漬けきゅうりのバランスがみごとで、何とも奥深い旨さ。スプーンとフォークを使って全部の具を混ぜたら、豪快に掻きこもう。

　ちなみに「アムフー」とは「悪霊の住処」という意味。昔、墓地の前にぽつんと営業していた店の灯りを見て、客がこう呼んでいたのだとか。故郷を離れたフエ人がこの味とこの店を恋しがり、店名にちなんだメニューを作り出したというのも大いに頷ける。

店名：Quan Com Am Phu
住所：35 Nguyen Thai Hoc St., Hue
電話：(054) 825259
営業時間：11:00〜23:00

（2007年8月号／2007年8月14日 火曜日 10:26 JST更新）