ランビアン山から飛びだせば、
ダラットの町が眼下に広がる
ランビアン山の西陵、ダンキアヒルは、麓から舗装路が続き、ジープで登ることができる。頂上からの眺めは絶景で、麓のダンキア湖から、遠くダラットの町まで一望だ。ジープ終着点の横にはカフェもあり、お茶や食事も取れるようになっている。
そんな頂上から飛び出すパラセール野郎を目撃した。彼はホーチミン市在住のベトナム人、ロンさん。カナダで軽飛行機の免許を取ったという彼は、根っからの空の人。エンジン付きハングライダーも好きだけど、ベトナム軍と揉めるので自粛中だという。というわけで、彼はもっぱらダンキアヒルから風に乗るために、仕事の合間をみてはダラットに来る。風が強すぎたり弱すぎたりで、3〜4日飛べないこともあるけど、それでも毎日山頂に通う。
上手く風に乗ると、上昇を繰り返しながら、やがて麓まで1時間以上のフライトが楽しめる。時には在住の外国人が加わったり、わざわざそのためにパラセールを担いでベトナム入りするツウも多い。先日もモスクワから団体が来たばかりだ。スクールはないので、初心者は眺めるだけだが、腕に覚えのある人は、乾期のシーズンのうちに大空の散歩を楽しんではいかが。許可は特に必要ないが、その分全て自己責任だ。さあ、パラセールを担いでダンキアヒルを目指そう。
(ベトナムスケッチ2004年4月号)
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